極寒のフィンランドで快適に過ごす工夫
~ログハウスと心を温める冬のひととき~
目次
・薪ストーブのある暮らし
・ログハウスとなるポーラーパイン
・シニネン・ヘトキ「青の時間」
フィンランドの冬は厳しい寒さと暗さに包まれていますが、人々はその冬の時間を暖かく心地よく過ごす工夫を知っています。日本とは異なる厳しい気候の中で、家族と集う温かなひとときや薪ストーブの炎、そして伝統的な木の家であるログハウスが、快適な冬の暮らしを支えているのです。それぞれの「暖かさ」の秘密に迫りましょう!
薪ストーブのある暮らし
フィンランドの家の多くには暖炉や薪ストーブがあります。薪がはぜる音と揺れる炎は、物理的に家全体を温めるだけでなく、見ているだけで心も温まる効果があります。日常生活の中心にこの暖炉があることで、家族が自然に集い、リラックスした時間を共有できるのです。
さらに暖炉があることで、いつもの日常が少し違うものになります。例えば、薪割りや薪の保管、暖炉に木をくべる時間は、家族との絆を深めるための共同作業でもあり、これらの作業を通じて自然の恵みを生活の中に取り入れる一環でもあります。フィンランドに人々にとって暖炉は単なる暖房器具ではなく、家族の心をつなぎ厳しい冬を豊かに過ごすシンボルなのです。
ログハウスとなるポーラーパイン
無垢の木でくるまれたログの家は暖かくて本当に快適です。この快適性の鍵をにぎるのは、フィンランドの自然が育てたポーラーパイン(オウシュウアカマツ)です。 厳しい自然環境の中で育つポーラーパインはゆっくり成長するため年輪が密で、断熱性や蓄熱性が高いのです。ポーラーパインでつくられたログハウスの壁全体が蓄熱性をもっていて、冷え込む夜間でも室内を暖かく守ってくれます。フィンランドの伝統的なログハウスの壁には人工的な断熱材は使われていません。なぜなら、ログ自体が断熱材だからです。ログハウスの壁は見た目にも暖かく、そのうえ冬は室内を暖かく保つための性能があるのです。
フィンランドのログハウスに主に使用されるポーラーパイン(オウシュウアカマツ)に含まれるフィトンチッドは、清涼感のある芳香成分で、気持ちを和らげる効果があります。ログハウスの中にいるだけで森林浴をしているような安らぎを感じることができるのです。ログハウスに住むフィンランドの人々の多くは夜に熟睡できるわけは、分厚いログ壁の防音効果に加えて、爽やかな室内空気にも理由があるのですね。
シニネン・ヘトキ「青の時間」
フィンランドの冬は薄暗い時間が多く、雪が白く広がる景色がその時間をさらに際立たせます。日没後から夜にかけて訪れる「Sininen Hetki(シニネン・ヘトキ)=青の時間」は、フィンランドの冬の美しい象徴です。この時間帯、景色は深い青色に染まります。フィンランドの人々にとって、この青の時間の風景は特別なひとときであり、外の冷たい青さと、家の中の温かな灯りの対比が冬の美しさを際立たせます。
厳しい寒さの中、家の中では暖かい時間がゆったりと流れる──これこそが、フィンランドの冬の楽しみ方であり、ログハウスだからこそ実現できる「暖かさ」なのです。
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