フィンランドの風景に溶け込む日本庭園
–「ハイク」 ナーンタリ住宅フェア2022
日本をイメージしたホンカ「ハイク」は、建築家のマルコ・シムシオ、インテリアデザイナーのマル・ハウタラ、ランドスケープアーキテクトの橋本朝子さんによるコラボレーションによって生まれました。橋本さんに「ハイク」の庭について、フィンランドの風景に合った日本庭園であるアトリウムのデザインについてうかがいました。
橋本朝子さんとホンカ「ハイク」を探訪
-調和とバランスのとれた環境
ランドスケープアーキテクトの橋本朝子さんは、20年以上にわたって屋外空間の設計に携わってきました。日本出身の橋本さんは、2010年からフィンランドに住んでいます。
「個人のお宅、住宅会社、店舗、学校などの庭をデザインしてきました。ヒュヴィンカー市に勤務していたときは、地域の公園を数多くデザインしました。」
ヒュヴィンカーで開催された住宅フェアで橋本さんが設計した庭園「ミハナエン」は、2014年に「環境建築賞」に選ばれました。橋本さんのデザインは、フィンランドの四季を考慮し、調和のとれたバランスの良い環境です。
「環境をより美しく、快適なものにすることにやりがいを感じています。」
自然を象徴したホンカ「ハイク」の庭
「ハイク」の庭は、フェア・エリアの森と岩の地形にインスピレーションを受けたデザインです。家は周囲の環境に溶け込み、日本庭園はフィンランドの自然の風景を象徴しています。
「俳句は、自然の」の風景や季節感、情緒を詠んだものです。この庭は、周囲の自然を要約しているのです。」
「ハイク」の庭は、伝統的な日本庭園とフィンランドの風景を組み合わせたモダンな庭園です。庭にちりばめられたさまざまな要素は、抽象的に水辺や小島などの自然を表しています。
「私のデザインは、前庭、アトリウム、後庭の3つのエリアで構成されています。前庭では、建物と敷地が自然の風景に溶け込みます。前庭は、水の流れと野の花が咲く小島で表現しています。エントランスアプローチは「川」と「小島」を貫く橋のようなものです。
アトリウムは他の庭とは別に、モミジやツツジ、ニシキギなどの植物を配し、四季を通じて美しく見えるようにしました。リビングから見ると、窓をフレームにした風景画のように見えることを意図しています。スパ・エリアから見ると、石灯籠を配したアトリウムはまるで温泉のようです。北側にある裏庭には、焚き火台を置きました。
橋本朝子のアトリウム・デザイン
日本庭園は、大自然の風景の縮小版です。
「例えば、日本庭園では、大きな岩は山を、砂利は川や海を象徴しています。「ハイク」の前庭は、2つの大きな岩の間にあり、谷のようになっています。そこに小島がある川を配しました。」
日本庭園の重要な要素である石、砂利、石灯籠、植物は、フィンランド野様々な環境と相性が良いのです。水と石の要素は、フィンランドの風景によくなじみます。フィンランドの自然には美しい石があり、日本庭園に利用することができます。
「日本庭園に欠かせない植物の多くはフィンランドでは生息していないので、フィンランドに生息する植物であうものを探すこともできます。」
さまざまな種類のコケやシダ類は、和風の庭にもあいます。フィンランド南部の環境と日本庭園に適した植物には、ノムラモミジ、名月楓(カエデ)、ニシキギ、アセビ、ツツジ、キキョウ、フウチソウ、セイヨウクモマグサ、フッキソウなどがあり、「ハイク」の庭にも植えられています。
「南フィンランドの条件に耐え、日本庭園に適したチョウセンハウチワカエデ、オオヤマザクラ、セイヨウナナカマド、モンタナマツ、ヨーロッパアカマツ、シャクナゲ、アメリカシャクナゲ、アジサイ、コアヤメ、ギボウシ、タガネソウなどもよいでしょう。」
ハイクの記事
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