フィンランド人に聞いてみた: アンネさんの視点に注目!
今回は「フィンランド人にきいてみた」と題して、ホンカのフィンランド本社のチーフアーキテクトであるアンネさんにいろいろ聞いてみました。フィンランドの自然、文化、そして建築に対する彼女の深い洞察に暮らしのヒントを見つけてみませんか!
フィンランドは幸福度が高いとよく言われますが、アンネさんはいかがですか?何がアンネさんを幸せにしてくれますか?
「フィンランドの自然が私を幸せにしてくれます」とアンネさんは言います。アンネさんは現在、東フィンランドの広大なサイマー湖周辺、故郷であるサヴォンリンナに住んでおり、自然との深いつながりを大切にしているとのこと。
アンネさんは過去に10年間、スウェーデン、オランダ、ドイツに住んでいましたが、最終的には自然の中での暮らしを選び、フィンランドに戻ったそうです。「家族とともに多くの時間を水辺で過ごし、さらに北フィンランドのラップランドにも別荘を所有しており、自然の中での時間を楽しんでいます。」
フィンランドの人々が幸せを感じる理由については、「自然にすぐにアクセスでき、リラックスできる環境が整っていることが大きな要因」だとアンネさんは言います。自然体験の一部として、サウナも大切な存在ですが、それはまた別のお話として楽しみにしておきましょう。
フィンランドのログハウスはなぜ素敵なのですか?アンネさんがログハウスを設計するときに心がけていることは?
「フィンランドのログ建築は、数十年にわたる技術開発の成果です。なので、技術的に非常に高水準で、安全かつ健康的な建物です。長年培ってきた高いログの技術により建築家にとって思い通りの美しいデザインが実現できることも、ログ建築の大きな魅力です。」
フィンランドと他国の木造建築との違いは、特に「モダンな外観」であることが挙げられます。フィンランドのログハウスは、さまざまなデザインに適応できる柔軟性があるので、その国ならではのデザインや規制にも合わせやすいのだそうです。
アンネさんがログハウスを設計する際に常に心がけていることは、「建物のスケール感、機能的なレイアウト、そしてスタイルに調和した外観」を重視すること。また、時が経っても美しく機能的であることも重要だと強調しています。
日本の建築と文化について、どう思いますか?
日本の建築や文化についても、アンネさんは幼い頃から憧れていたと話します。特に「日本の建築は自然との調和が素晴らしい」と述べ、自然を取り入れる設計思想や、都会においても庭園を通じて自然を感じる技術に感銘を受けているそうです。
一方、フィンランドの文化は比較的若く、狩猟や漁業から発展してきた背景があります。都市化が進んでも、自然とのつながりを求めるフィンランド人の心情は、日本の自然に対する理解と共通している点です。
最後に、日本の読者に向けて何か言いたいことがあったらどうぞ。
「自然の多様性を守り環境に配慮した建築計画をしていくこと」そのことがまさに重要で、建築計画の際に心においてほしいと語るアンネさん。ログ建築や木造建築はそんな建築計画に最適な答えだと言います。
アンネさんの言葉からは、自然との調和や持続可能な建築への深い思いが感じられますね。
アンネさんの豊富な経験と深い洞察を通して、フィンランドの自然と調和した建築文化に新たな視点を見出せたのではないでしょうか。自然の一部として暮らしを設計する彼女の姿勢は、現代社会においてますます重要なテーマです。フィンランドの大地に根付いたログ建築は、単なる建物ではなく、自然との対話を楽しむ空間そのものです。
アンネさんのように自然を大切にする建築家によって、これからもフィンランドのログ建築が進化し続け、その魅力が世界中に広がっていくことを楽しみにしています。フィンランドの風景と一体化した家々が、私たちの暮らしにも新たなインスピレーションをもたらしてくれることでしょう。
Text by Asako Hashimoto
アンネ・マキネンさんのプロフィール
タンペレ大学で建築学を修了し、その後、スウェーデンのKTHロイヤル工科大学で1年間学ぶ。その後、フィンランドに戻り、住宅メーカーにて販売、自身の設計事務所の経営などを経て、2018年からホンカ本社でチーフアーキテクトを務める。
夫と3人の成人した子供と共にサヴォンリンナのサイマー湖周辺で暮らし、日々自然と共に生活。アンネさんの家族も建築に関心が高く、子供たちのうち2人は建築学を、もう1人は情報処理科学を学ぶ。